マネージャーでない私から、アイドルでないあなたへ

 

フィクションのきらめきを残しながらリアルな描写を追求するアイドリッシュセブン。そんなアイドリッシュセブンのリアルでないところをあげるとするなら、それは間違いなく彼らの年齢システムだと思います。

ブラホワを複数回経ても上がらない学年、変わらない年齢。お誕生日カードは毎年出るけど、加齢は描かれない。サザエさん時空なんていう概念もありますが、あれはあくまで主題が日常だからこそ成り立つもので、成長や変化を描く作品においてはなかなか成立しないものなのではないかと思います。「フィクションだから」と言ってしまえばそこまでですが、二次元ならではのリアルな描写が目立つぶん、やはり気になる要素かなと思います。

本題に入る前にひとつだけ。このブログは、アイドリッシュセブンのリアルとフィクションについて語るものではなく、和泉一織くんのお誕生日をお祝いする趣旨の文章になります。じゃあなんでこんな前置きになっているのかというと、私がいちばん彼らとの世界の隔たりを感じるタイミングが、キャラクターのお誕生日だからです。

気になるだの隔たりを感じるだの、不満があるように見えるかもしれませんが、そんなことはありません。高校生組にはずっと高校生でいてほしいと思っているし、まだまだ20代半ばのRe:valeを見ていたいとも思うし、天くんを子供扱いするTRIGGERが見られなくなるのは寂しいと思っています。正直、ありがたい設定ではあります。

ただ、私はやっぱりマネージャーにはなりきれない*1し、かといって有象無象のファンの一人にもなれないんだなという感情がずっとあるんです。隔たりを感じるというのもその延長。出会ったときはひとつしか変わらなかったのに、気がついたらみっつも離れてしまった年齢に、少しだけ寂しさを感じてしまう。一織くんのお誕生日をどうお祝いしようか悩んでいるとき、やっぱり一織くんを少しだけ遠く感じてしまったので、せっかくだからこの感情を書き残しておこう、と思いました。今回はそういうブログです。

 

さて、本題に入りましょう。大前提として、我々プレイヤーはIDOLiSH7のマネージャーとしてアイドリッシュセブンの世界へ参加します。例えばアイドルになったきっかけであったり、メンバーとの会話だったり、芸能界の裏事情であったり。マネージャーという立場だからこそ知れること、一介のファンには知り得ないような情報を通して、アイドルたちのことを知っていくのです。この前提がある段階で、どう足掻いても「ただのファン」にはなれません。少なくとも私はそう。アイドルではない、ただの青年の彼を知ってしまっている以上、私にとっての和泉一織くんはどうしても「好きなアイドル」の枠に収まってくれない。正直、あの世界のモブとして生きていたら、私はこんなには和泉一織くんに惚れ込んでいないと思います。

ナナライの一織くんは私にとってアイドルです。ブラホワや、アイドリッシュセブンのライブでパフォーマンスをしている一織くんも、「キッズルームへようこそ」とか「バックヤードマジック」でバラエティをしている一織くんも、大好きなアイドル。だから、ファンとして応援できるしキャーキャー言えます。だけど、ミューフェスの失敗のあと、泣きながらメンバーに謝っている一織くんは、ファンが見てはいけない一織くんだったと思っています。あれは、和泉一織個人にとってすごく大事な瞬間でした。まかり間違ってもファンが介入していい場面ではないと思っています。

"かわいいものが好きなことを隠そうとしている一織くん" はアイドルだけど、"兄さんをかわいいと思っていることを隠すために自分の好みを偽り始めた一織くん" はファンから見たアイドルの範疇をはみ出てしまっている気がするんですよね。きっと、その姿や表情は、葛藤は、"ファンが知ってはいけない一織くん" のものなのだと思うのです。だから、そんな一織くんを見て一織くんに惚れた私*2は、アイドル和泉一織のファンではない。だけど、マネージャーを名乗ろうにも、私の中の一織くんはちょっと私から遠いんですよね。

 

私は、かわいくない一織くんを見てきました。

初対面の陸くんに「あなたは幼稚園児みたいですね」と無礼すぎる言葉を言い放った一織くん。傷ついたり、上手くいかなかったりすることがないわけじゃないのに、上手に取り繕えてしまう一織くん。もっと甘えていいのにと、力を抜いてもいいのにと思うけど、やっぱりそんな不器用な一織くんのことが愛おしいと思ってしまう。

かわいい一織くんも、たくさん見てきた。

兄さんが褒められると誰よりも誇らしげにしている一織くん。かわいいもの好きを隠せていると思って(思おうとして)いるところとか、友達と遊ぶとき、けっこう嬉しそうにしている年相応なところとか。照れ屋さんなところとか、小さいころの一人称がいおりなところとか。中身はちゃんと甘ったれの弟気質な一織くんが堪らなく好きだなと思います。

カッコよくない一織くんも見てきたつもりです。

寝起きすぐの「かっこよくない一織」は残念ながら知らないけれど、陸くんを励まそうとファンサを試みたとき、照れが勝って全くカッコよく決められなかった彼なら知っている。兄さんにうさぎのコスプレをさせたがっているところは、カッコよくないどころかちょっと怖い。精神統一のために相方のうっかりした話を聞こうとしたりもするし。だけど、パーフェクトに整えられた一織くんじゃない一織くんが少しずつ表に出てきていることをとても嬉しいと思っています。

 

いろんな一織くんを見てきたつもりだけど、やっぱり、私がいちばん見てきたのはカッコいい一織くん。

冗談交じりに脱退を仄めかす大和さんに向かって、IDOLiSH7の評判を落としてあなたまで失うなら意味がない、と言い放った一織くん。

三月くんがオーディションに落ち続けていたときでも、兄さんには人を笑顔にする才能があると信じて、ブレずに応援し続けた一織くん。

環くんに、やりたいことはIDOLiSH7で見つけてほしいと、メンバーから伝えるべきだったことをちゃんと伝えた一織くん。

MEZZO"を結成したばかりで未来が見えずにいた壮五さんに、MEZZO"は必ずあなたたちにしかなれないユニットになると断言した一織くん。

ノースメイアで、ナギにCDを渡しながらあなたを諦めないと、連れて帰ると伝えて、宣言通りIDOLiSH7を守った一織くん。

私が一番七瀬さんのボーカルが好きですと言って、戻ってきた最強のセンターに完璧なパスを繋いだ一織くん。

勉強や努力を怠らない、正攻法な一織くん。

必要とあらば、多少卑怯な手でも躊躇わずに使う狡猾な一織くん。

真っ直ぐで迷いのない、柔らかく響く歌声。

若さが滲む、それでも隙のないパフォーマンス。

愛おしいものを見るように客席を見上げる視線。

IDOLiSH7を信じて疑わない、的確なプロデュースと力強い言葉。

何度も何度も、着いてきてよかった、これからも着いていきたい、と思わせてくれる一織くん。文句なしにカッコいいアイドルで、カッコいい人だと思います。そして、どんな一織くんがいたとしても、和泉一織のパーフェクトが損なわれることはないんだと、声を大にして言いたいのです。

 

結局のところ、いくら考えても、自分をどう定義していいのかはわかりませんでした。本人不在の誕生日会を開催したい気持ちもあるし、当日の夜に公式から発表される一織くんのコメントの「皆さん、たくさんのお祝いありがとうございました」の「皆さん」になりたい気持ちもあるし、アイドルになってくれてありがとうと言いたい気持ちもあるし。強くなったね、仲間ができてよかったねと称えさせてほしい気持ちもあれば、メンバーからのサプライズのお祝いを企画したり手伝ったりしたい気持ちもある。どれも嘘じゃないから仕方ない。いろんな立場で推しと関わらせてくれるアイドリッシュセブンに感謝ですね。

迷いなく言えることがあるとすれば、私は一織くんのことが大好きだということ。マネージャーでもファンでもないかもしれないけど、根っこのところは変わらないまま、どんどん成長していく一織くんを見ていられるだけで、私は十分に満足できてしまうんだと思います。たとえ、彼の年齢が止まったままであったとしても。

 

長ったらしくなってしまったけれど、改めて。

和泉一織くん、お誕生日おめでとうございます。

二次を超えてくるあなたを、虹を超えていくあなたを、精一杯の愛を込めて祝います。

 

アイドルなあなたも、

アイドルでないあなたも、

和泉一織くんのすべてが、心の底から大好きです。

 

あなたの健康と幸せと、IDOLiSH7の更なる飛躍を、いつでも祈っています。

 

 

最高のその先へ  突き進みましょう

向かい風を  追い風へと変えて

一つ、また一つ  広がる世界を

Ah… 見せてあげる  どこまででも

ONE dream / 和泉一織

 

 

 

2023.01.25

ノキタ

 

 

*1:いろいろ要因はあるのですが、やはりマネージャーを紡ちゃんとして認識して応援してしまって自己投影ができないというのは大きいです。紡さん超敏腕だし......

*2:私はミューフェス後に泣きながら謝る一織くんにくらっときて落っこちた一織担なので本当に言い逃れができない